2009年02月27日

水虫の基礎知識 5、毎日欠かさずに薬を塗る

皮膚科へ行くと、水虫薬は毎日欠かさずに塗りましょう、といわれます。
この指示には、それなりの理由があります。

成熟した大人の水虫菌は、水虫薬を塗ることによって簡単に死滅してしまいます。
しかし、水虫菌のタネ(胞子)は薬剤耐性を持っており、現在使われている水虫薬はこのタネに対して全く効果がありません。
私たちにできることは、毎日欠かさずに水虫薬を塗って皮膚内の薬剤濃度を維持し、やがてタネから発芽してくるであろう水虫菌を待ち構えていて殺す、という方法しかないのです。
もし何日間も水虫薬を塗らないで放置していると、タネから発芽した水虫菌が成熟して、再度タネを再生産してしまう余裕を与えることになります。
これでは水虫を治すことができませんね。
水虫薬は、毎日欠かさずに塗ることが大切です。

もう一つの理由としては、現在皮膚科で使われている水虫薬は皮膚への浸透性がとても悪いのです。
ですから、毎日水虫薬を塗って、皮膚内の薬剤濃度を高める努力がいるのです。

水虫菌はカビですので、自分で動く(移動する)ことができません。
ですから、もし皮膚の新陳代謝が進行して古い皮膚が垢としてはがれてしまえば、水虫菌も一緒にはがれてしまいます。
このことは、水虫菌にとっては死を意味しますね。
このため、水虫菌は皮膚の新陳代謝を抑制する能力を身につけています。
つまり、水虫患部では新陳代謝が起こらず、水虫菌によってボロボロに食い荒らされた皮膚の残骸が何層にも積み重なっているのです。
水虫薬を塗ることによって水虫菌を消滅させると、やがてその部分の皮膚が新陳代謝能力を回復して、ボロボロに食い荒らされた皮膚が垢としてはがれてきます。
この現象が起きると、その部分の水虫が治ったことになります。
水虫を治す、ということは大変な作業であり、根気よく何ヶ月間も水虫薬を塗り続ける努力が必要です。

最近の水虫薬は、1日1回の塗布で有効であるとされています。
入浴後あるいは就寝前に薬の塗布を行うことを習慣付けておくと、薬の塗り忘れも防げます。
入浴後には皮膚がふやけて柔らかくなっており、薬がしみこみやすくなっていますので薬剤効果も高くなり、おすすめです。

薬は毎日欠かさずに!
これが水虫治療の鉄則です。
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2009年02月26日

水虫の基礎知識 4、三日坊主では治りません

水虫というと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
足の裏にできた水疱や、足指の間にできた皮膚のはがれなどの皮膚症状が水虫であると思われていることでしょう。
あるいは、それらの皮膚症状に伴うかゆみも水虫の特徴ですね。

しかし、これらの皮膚症状そのものが水虫であるとお考えでしたら、それは見当違いもはなはだしい、と言わざるを得ません。
水虫とは、何の皮膚症状も表わさない隠れ水虫が圧倒的に多いのです。
上記の皮膚症状を表面化させている水虫菌は、カビが寄生していることを人に気づかれる、いわばドジな水虫菌です。
何の皮膚症状も表面化させることなく、皮膚の奥深くでひっそりと生活しているカビ(水虫菌)こそが、水虫菌の正体なのです。

前置きが長くなりましたが、上記の基礎知識がないと水虫を完治させることができません。
水泡や皮膚のはがれ、かゆみなどのある水虫に対して水虫薬を毎日根気よく使っていると、やがて皮膚が更新されてきれいな皮膚を回復します。
このとき、多くの方は水虫が治った、と判断するでしょう。
しかし、これは大きな間違いです。
きれいに見える皮膚の奥深くでは水虫菌の本隊が昼寝をしていますし、無数の水虫菌のタネ(胞子)が残っているのです。
皆さんが水虫であると認識している皮膚症状は、変性した皮膚組織そのものであって、水虫菌とは何の関連もありません。
皮膚症状がなくなったから水虫薬を塗らなくなった、というのでは、やがて水虫(皮膚症状)が100%再発します。

水虫を治すためには、水虫薬を塗ってきれいな皮膚を回復してからこそが本当の勝負になります。
皮膚の奥深くで生きている水虫菌を完全に消滅させるまで、根気よく何ヶ月間も処理を継続するしかないのです。
それでは、どれくらいの期間処理を続ければ水虫完治になるのか、ということについては、残念ながら明確な答えを出しにくいのが現状です。

この記事では、
「水虫薬を塗っているとやがてきれいな皮膚を回復するが、そのきれいに見える皮膚の下には水虫菌の本隊が残っているので、さらに数ヶ月間は水虫薬を使いましょう」、
ということをご紹介しました。
皆さん、水虫完治まで頑張りましょう(笑)。
posted by 水虫博士 at 09:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫の基礎講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月25日

水虫の基礎知識 3、水虫薬の剤型と特徴

市販の水虫薬には、液剤、クリーム、軟膏、エアゾールなどのさまざまな剤型があります。

これらの剤型の使い分け方としては、カサカサした乾燥タイプ(小水疱型水虫)には液剤やエアゾールを、ジクジクした湿潤タイプ(趾間型水虫)にはクリームや軟膏を、ひび割れしたりただれたりしているタイプ(角化型水虫)には軟膏を使用するのが良いとされてきました。
しかし最近ではこれらの薬剤間の特徴の差が少なくなり、基本的には各人の好みで剤型を選べば良いといえそうです。

液剤は、水虫患部が乾燥したタイプの水虫に用いられます。
水虫を殺す成分である抗真菌剤は水に溶けにくく、このため溶剤としてアルコールなどの有機溶剤が使われています。
患部にひび割れやただれ、傷などがある場合には、アルコールが沁みて痛みを感じることがありますので、使わない方が良いでしょう。
特に、趾間水虫では皮膚が弱くて炎症を起こしているケースが多いので、クリーム製剤、軟膏を使うのが好ましいでしょう。
液剤の特徴としては、水虫に対する効力が他の剤型のものよりも強いことが挙げられます。
クリームや軟膏では皮膚を保護する基材成分が入っており、その結果として水虫菌に対する効果が弱められます。

エアゾールは液剤と同じ使い方をしますが、ワンタッチで使える便利さがあります。

クリームや軟膏は、水虫患部が湿潤したタイプに用いられます。
クリームと軟膏の違いは、水虫薬の基剤にあります。
クリームの基剤は、油脂と水とを界面活性剤で混ぜ合わせたものを使っているために、伸びがよくべとつきがありません。
使用感が良いので、現在ではクリームが良く使われています。
特に、趾間水虫ではクリーム剤が第一選択薬剤になっています。
趾間では皮膚が弱く、クリーム基材の皮膚保護作用が好ましい効果をもたらします。

軟膏は、油脂製の基剤(ワセリンなど)の中に抗真菌剤を溶解させています。
このため、べとべとした使用感がありますが、ひび割れした水虫患部に適しています。

上記の使い分け方は、一つの目安としてご理解いただければよいでしょう。
実際の水虫薬の使い方としては、しばらく使用してみて、ご自分の好みに合った、一番使いやすいものをお選びください。
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2009年02月24日

水虫の基礎知識 2、白癬菌の種類

水虫(白癬菌症)は、人畜共通感染症です。
すなわち、人の水虫は犬や猫などの動物にうつりますし、逆に動物の水虫も人へと感染します。

ここで、水虫菌の起源についてご紹介しておきます。
動物は、死ぬと土の上に横たわりますが、その死骸は土壌中に住む微生物によって分解されます。
当然、死骸の皮膚組織を分解する菌(カビ)もいるわけで、この皮膚分解を担っているカビが白癬菌の祖先になります。
この死骸の皮膚を分解するカビが、生きている動物に寄生するように進化したのが白癬菌です。
ですから、水虫は太古の昔から動物(ヒトの祖先を含む)に寄生していたわけです。
水虫が人畜共通感染症であることは、太古の昔から続いているわけですね。
俗説として、日本人最初の水虫患者は靴を愛用した坂本竜馬であるとか、北米大陸へ最初に上陸したジョン万次郎であるとかいう話がありますが、これらは全くの笑い話です(笑)。

白癬菌は、次の3つの属に分類されます。
1、トリコフィトン属(Trichophyton)
2、ミクロスポルム属(Microsporum)
3、エピダーモフィトン属(Epidermophyton)

上記の白癬菌のうち、日本ではトリコフィトン属に分類される紅色菌(トリコフィトン・ルブルム)と、趾間菌(トリコフィトン・メンタグロフィテス)の二つが主な水虫原因菌であり、この両者で95%程度を占めるといわれています。
最近では、格闘技(柔道)愛好家の間で流行しているといわれるトリコフィトン・トンズランス菌が話題になっていますね。
この菌は頭髪などの毛根に入るため、難治性であるといわれています。

動物由来の白癬菌としては、犬小胞子菌(ミクロスポルム・カニス)が良く知られています。
ペットとして猫や犬を抱いていると、そのペットから腕や顔に水虫がうつることになります。
赤く丸い円盤状の斑点が多数できるのが特徴です。

白癬菌が皮膚に寄生すると、その菌が自然消滅することはほとんどないと思われます。
ですから、水虫を治すためには水虫薬を使うしか方法がありません。
白癬菌はカビの一種であり、タネ(胞子)を作って増殖します。
このタネ(胞子)は薬剤耐性を持っており、容易には死にません。
タネが残ると、このタネが発芽して再度水虫菌になるわけですね。
水虫が頑強で治りにくい理由は、このタネの存在にあります。
なお、大人の成熟した水虫菌は、薬剤で簡単に死滅します。
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2009年02月20日

水虫の基礎知識 1、水虫の部位と名称

水虫専科では以前に、水虫に関する基礎知識をご紹介するための基本講座を連載しました。
水虫の基本講座http://mizumushidoujyou.seesaa.net/article/17405318.html
早いものでそれから2年が経過し、私自身の水虫に関する理解も飛躍的に向上しました。
また、水虫を治すための処理液も開発できており、水虫を制覇したと自負できるまでに至りました。
そこで、現在の私の知識・経験をもとにして、水虫に関する基礎知識をご紹介するシリーズを再度書きたいと思います。

水虫というと、一般の方は足にできる皮膚病だと思われるでしょう。
しかし、水虫は白癬菌(水虫菌)というカビが皮膚・毛髪に寄生した皮膚病であり、水虫とは身体中どこにでもできるものなのです。
そして、水虫ができている部位に応じてさまざまな固有名称が使われていますが、これらはすべて白癬菌による水虫なのです(下図参照)。
体幹部、下肢、腕などにできるタムシ・ゼニタムシは、体部水虫(体部白癬)と総称するのが好ましいと思います。

          
mizu_01.gif


水虫は足にできる場合が圧倒的に多いのですが、その足の水虫を手でさわることによって手に水虫菌が付着し、その手を介して全身に水虫が広がっていきます。
特に、手の爪に水虫菌が入って爪水虫になると、その爪がふれるところには広範囲に水虫がうつっていくことになります。

足の水虫は、その部位によって4つに分けられます。
 1、指および指の間にある水虫は、趾(し)間型水虫です。
   指の間がふやけた状態になったり皮がむけたりしてかゆみを伴います。
 2、土踏まずや足裏の縁に小さな水泡ができるのは、小水疱型水虫です。
   強いかゆみを伴います。
 3、かかとが硬くひび割れして皮膚がぼろぼろとはがれるのは、角化型水虫です。
   かゆみはないのですが、一番治りにくいタイプで爪水虫よりも治りにくいといえます。
   水虫菌が付いた皮膚の破片が床に落ちて他人の足に付着しますので、他人への水虫感染源になります。
 4、爪が白く変色・変形するのは、爪水虫です。
   昔は不治の病といわれましたが、現在は内服薬療法で80%程度が治るといわれています。

水虫かどうかを確定するためには、皮膚科医による水虫菌の確認が必要です。
皮膚科医といえども、目で見ただけでは水虫かどうかを判定することは難しく、水虫菌の検査をしないで水虫だと診断する開業医が多いために、誤診が多いといわれています。
ましてや、素人が水虫かどうかを判断することは不可能です。
水虫ではないか、と思った時には、迷わずに皮膚科へ行きましょう。
そして、水虫菌の検査をしない(してくれない)場合には、別の皮膚科へ行きましょう。
posted by 水虫博士 at 11:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫の基礎講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月19日

皮膚科へ。

水虫の治療を主題にしたブログは、少ししか見当たりません。
その中から、爪水虫の治療体験を紹介しているブログをご紹介します。

ブログのタイトルは、「爪水虫治療日記」で、サブタイトルとして「爪水虫の治療始めました!来年には完治して堂々とサンダル履けますように。。。」と紹介されています。
記事は全部で10編あります。
その中から、一番新しい記事(といっても去年12月のものですが)をご紹介します。

「先週2ヵ月ぶりに爪を見て貰いに病院行って来ました。
最近は爪もほんとにきれいになりました!
もうちょっと白い部分が残ってるけど、この調子で行けば来年の夏は堂々とサンダル履けそうです
爪にだけ半年間もお薬が残るなんて不思議〜。
次は3ヶ月後の2月に診て貰いに行きます。
もう体にお薬も残ってないから妊娠しても大丈夫なんだそう。
最初一年は妊娠出来ないような事先生言ってたけど、パルス療法だったし大丈夫なのかな?
先生が言うんだから大丈夫なんだろう。
子供も1歳4ヵ月。私も34歳と決して若くないし、早く姉妹作ってあげれたらいいなぁ」
皮膚科へ(記事全文):http://blog.goo.ne.jp/hana_ponxxx08/e/d6bee28472b446297b4ac369ab22c324

このケースでは、内服用抗真菌剤であるイトリゾールが使われており、すでに薬の服用は終了しているそうです。
そして、爪もきれいになってきたようですね。

内服用抗真菌剤を服用していると、この記事にも書かれているように薬剤による催奇形性の問題があるために妊娠できない、という障害があります。
このため、妊娠か爪水虫の治療かの二者選択を迫られるケースもあります。
同じような悩みを持つ方には、このブログは大いに参考になるでしょう。
posted by 水虫博士 at 09:36| Comment(0) | TrackBack(0) |   爪水虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月18日

水虫の基礎知識を解説するブログ

立春も過ぎ、ずいぶんと暖かくなってきました。
家の外では春の光が乱舞し、生き物たちが活動を始めています。
ということで、水虫菌も動き始めており、水虫シーズンも間近いですね(笑)。

水虫専科では、いろいろなブログに紹介されている水虫関連記事の中から面白そうなもの、あるいは役に立ちそうなものをご紹介しています。
これからも読者諸賢のお役に立つであろう情報をお知らせしていきたいと思います。

水虫の基礎知識を知りたい場合には、皮膚科専門医が書いた水虫に関する単行本を利用されるのが賢明で、多くの正確な知識を得ることができます。
インターネット上でも水虫を解説した専門サイトがいくつかありますが、それらは情報量が少ない場合が多くて、あまり実用的ではないようです。

今回は、水虫に関する基礎知識を紹介しているブログを一つご紹介します。
ブログのタイトルは、「水虫治療プロジェクト」で、著者は吉田彰吾さんというサラリーマンの方です。
水虫治療プロジェクトhttp://blog.livedoor.jp/mizumushi_com/
去年の11月末からスタートしており、ほぼ毎日新しい記事が掲載されています。
検索機能を利用して適当なキーワードを入力すれば、知りたい情報を得られるでしょう。
興味のある方は、お試しください。

当サイトではしばらく記事の更新を休んでいましたが、春の光とともに再開したいと思います。
ご愛読のほど、お願いいたします。
posted by 水虫博士 at 10:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫の本、知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする