2015年12月23日

水虫治療経過ブログ

水虫は、なかなか治りません。
「水虫を治す」、という先を見通せない難事についてブログ記事を書く、ということは、とても難しくて勇気がいるものです。
それにもかかわらず、自分自身の水虫治療の経過をブログで記事にしていく、という勇者(愚か者?)がたまにはいるのです。

id:tsugi-hagiさんは、「意識高い系水虫治療経過ブログ」を書いています。
治療を始める前の皮膚症状は、下の写真の通りでした(1日目、2015年6月27日)
注、写真をクリックすると鮮明な拡大写真が表示されます。

20150702220315.jpg


20150702220314.jpg


この人の水虫は重症というほどではないのですが、趾間から親指全体にかけて広範囲に及んでおり、簡単には治らないと思われます。
id:tsugi-hagiさんは、皮膚科でもらった水虫薬(ゼフナート、クリーム剤)を根気よく塗りました。

そして17日目(7月12日)には下記の写真の状態になりました。

20150712221303.jpg


写真を見ると、親指から趾間にかけて皮膚が大きくはがれています。
このような皮膚のはがれ方をするのは、水虫菌が死滅して皮膚の入れ替わり(新陳代謝)が起きている状態であることを示しています。
つまり、水虫が順調に治りつつあることを明瞭に示しています。
ゼフナートって効くんですねえ、こんなに効く水虫薬があるとは私は知りませんでした。
id:tsugi-hagiさんは、「この薬剤は私に合っているようだ」と述べています。

そのまま処理を続けていたのですが、36日目(8月2日)には水泡の再発がありました(下の写真)。
これはどういうことかと言うと、皮下に寄生していた水虫菌のタネ(胞子)が発芽して水虫菌に成長し、活発な活動を始めたために水泡ができたのです。
水虫薬(ゼフナート)にはタネを殺す能力はありませんので、タネの発芽→皮膚症状の再発という現象は何度も繰返して起きてきます。
この機構による再発が何度も起きることを知識として持っておいて対応することが必要不可欠です、油断していると再発を見逃してしまい、水虫を治し損ねることになります。

20150802002952.jpg



このような再発を乗り越えて、110日目(10月27日)には「皮膚がきれいになった」という記事と写真(下)を公開しています。
この間、110編の記事と写真が根気よく掲載されています、凄い努力ですね!

20151027234737.jpg


ご本人は、「治った」、と満足しているようですが、実はまだ問題が残っています。
親指〜趾間にかけての皮膚の水虫はほぼ治っていますが、実は爪の先部分にある爪水虫がまだ健在?のようです。
爪先端部の爪と皮膚との接触部分が円弧状ではなくて端部分で下へと切れ込んでいますね。
ここは,爪水虫なのです。
ここはまだ治っていません。
id:tsugi-hagiさんにこのことを知らせてあげるべきかどうか、悩ましいですね。
この程度の軽度の爪水虫があっても何の支障もないからで、「水虫が治った」というご本人の満足感を大切にすべきだ、とも思います。


posted by 水虫博士 at 07:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫治療のブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月19日

水虫の基礎知識 4、三日坊主では治りません

水虫と初めて出会ったとき、普段はきれいで何もないはずの足裏や指の間の皮膚に、水泡ができたり、あるいははがれたりしているのを見つけます。
これらの皮膚症状には、かゆみを伴うことも多いです。
このとき、それ以上は気にせずに、放置する人も多いでしょう。

それらの皮膚症状を見て、「あ! 水虫だ」と思って、水虫薬を買ってきて、数回患部に薬を塗ったとします。
すると、かゆみも治まり、そのまま皮膚症状のことは忘れてしまう、ということになりそうですね。
水虫とは、このように大した症状もないのが特徴です。
このために、水虫薬を塗ることをすぐに止めてしまうことになりがちです。
すると、また皮膚症状が出てきて、しばらく薬を塗って、また放置する、という悪循環を繰返します。
そして、年を経るごとに水虫症状は悪化していき、皮膚組織や爪組織の障害が積み重なって重度の水虫へと進行します。

水虫薬を使う場合に、知っておかないといけない基礎知識があります。
1、皮膚科や薬局の水虫薬は、水虫を治す効果が十分ではありません。
  患部に水虫薬を塗っても治りにくいのです。
  このことを知っておくことが、先ず、必要です。
  ですから、例えば1週間程度水虫薬を塗った、という程度では水虫は決して治りません。
2、水虫の原因となるのは、カビ(白癬菌)です。
  皮膚や爪に寄生しているカビを根絶することは、とても難しいのです。
  カビは、子供(タネ、胞子)を産生しますが、皮膚の下にいるタネを殺す薬剤はありません。
  つまり、水虫薬を塗っても、タネは死なない!のです。

このように、水虫薬をちょっと塗ったくらいでは、水虫は治りません。
患者は、効果が良くない水虫薬を使わざるを得ませんので、あとは患者自身の努力でできるだけ長期間水虫薬を使い続けることしかできませんね。
「患者が途中で水虫薬を塗るのをやめてしまうので、水虫が治らないのだ」、という趣旨の意見を見かけますが、これはとんでもない言いがかりで、水虫薬が効かないから水虫が治らないのです。

私の手元には、水虫を完全に治す薬剤がありますので、これを医薬品として開発したいと考えています。
水虫を治せる薬剤が必要ですね。


posted by 水虫博士 at 09:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫の基礎講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月15日

読みたい記事の探し方

水虫専科では、水虫に関連する記事だけを扱っています。
そして、その記事数も1200件に近くなってきました。
水虫に関する情報でしたら、たいていのものは収録されていると言っても過言ではありません。
しかし、記事数が多いだけに読みたい記事・情報を探すのも一苦労になります。
当ブログで水虫に関連する特定の記事・情報を探したい場合には、
 1、記事カテゴリー
 2、記事検索
をご利用ください。

1、記事カテゴリーの利用
水虫専科では、記事を記事カテゴリー別に分類しています。
この記事分類を利用すると、読みたい記事をおおまかに見分けられます。
当ブログの記事カテゴリーは、次の通りです(カッコ内数字は記事数)。
  水虫薬 (79)
  水虫の本、知識 (16)
  水虫面白話 (9)
  水虫の豆知識 (253)
  水虫の治し方 (34)
  水虫Q&A (18)
  皮膚科医の水虫論 (39)
  水虫治療の体験記 (水虫に関する記事が一つの場合、249)
    爪水虫 (42)
    体部・手の水虫 (37)
    家族の水虫 (61)
  水虫治療のブログ (水虫に関する記事が複数ある場合、62)
  水虫に似た皮膚炎 (94)
  水虫・・・じゃなかった (24)
  妊娠、病気、介護 (34)
  動物の水虫 (25)
  水虫記事集 (14)

2、記事検索の利用
左カラムの記事カテゴリーの下に、「記事検索」欄を配置しています。
ここで、検索窓に適当な言葉を入力し、「記事」を選択してから検索すると、水虫専科内に存在する情報が一覧表示されます。この機能は便利ですので、ご利用ください。
 例 「猫」と入力して検索
     →41件がヒット
   「趾間型水虫」で検索
     →8件がヒット
   「妊娠」
     →21件がヒット
   「酢」
     →51件がヒット
この記事検索では、検索する言葉での検索しか行われません。例えば、「アメリカ」で検索すると16件がヒットしますが、一方、「米国」で検索すると4件しか表示されません。
また、ヒット件数が多い場合には、表示しきれないためか、記事が表示されずに空白欄となります。その場合には、検索したい情報の範囲を狭めて言葉を選択し、再度検索してください。
 例 「水虫」   → 表示されない
   「趾間型」 → 表示されない
     ↓
   「趾間型水虫」に絞って検索→8件がヒット

                 (注、記事中の数字は、2017年12月現在のものです)

後記
このブログでは水虫に関するブログ記事を扱っていますが、最近は目新しいものが見られなくなってきました。私(水虫博士)の目から見ても、水虫に関する情報はほとんど網羅されていると思われます。
上記の記事検索をご利用いただきますと、たいていの水虫情報でしたら得ることができますので、ご利用ください。
あるいは、メールでお問い合わせいただければ、私のわかる範囲内でご回答します。

posted by 水虫博士 at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 読みたい記事の探し方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月11日

水虫の基礎知識 3、水虫薬の剤型と特徴

市販の水虫薬(皮膚科、薬局)には、液剤、クリーム、軟膏、エアゾールなどのさまざまな剤型があります。
これらの剤型は水虫による様々な皮膚症状の特徴に合わせて作られていますが、それらの特徴を素人である一般の水虫患者が理解することは簡単ではありません。
ですから、一般の水虫患者としては、皮膚科医の診察あるいは薬局薬剤師と相談して、あなたの皮膚症状に適した水虫薬の剤型を選んでもらうのが最善です。

ここでは、一般的な水虫基礎知識として、水虫薬の各種剤型による特徴をご紹介します。
水虫薬の剤型に応じた使い分け方としては、カサカサした乾燥タイプ(小水疱型水虫)には液剤やエアゾールを、ジクジクした湿潤タイプ(趾間型水虫)にはクリームや軟膏を、ひび割れしたりただれたりしているタイプ(角化型水虫)には軟膏を使用するのが良いとされています。
それでは、各種剤型の詳細な解説を以下に述べます。

液剤は、水虫患部が乾燥したタイプの水虫に用いられます。
水虫を殺す成分である抗真菌剤は水に溶けにくく、このため溶剤としてアルコールなどの有機溶剤が使われています。
患部にひび割れやただれ、傷などがある場合には、アルコールが沁みて痛みを感じることがありますので、液剤は使わない方が良いでしょう。
特に、趾間水虫では趾間の皮膚が弱くて炎症を起こしているケースが多いので、クリーム製剤、軟膏を使うのが好ましいでしょう。
液剤の特徴としては、水虫に対する効力が他の剤型のものよりも強いことが挙げられます。
クリームや軟膏では皮膚を保護する基材成分が入っており、その結果として水虫菌に対する効果が弱められます。

エアゾールは液剤と同じ使い方をしますが、ワンタッチで使える便利さがあります。

クリームや軟膏は、水虫患部が湿潤したタイプに用いられます。
クリームと軟膏の違いは、水虫薬の基剤にあります。
クリームの基剤は、油脂と水とを界面活性剤で混ぜ合わせたものを使っているために、伸びがよくべとつきがありません。
クリームは使用感が良いので、良く使われています。
特に、皮膚が弱い趾間の水虫では、クリーム基材の皮膚保護作用が好ましい効果をもたらしますので、クリーム剤が第一選択薬剤になっています。

軟膏は、油脂製の基剤(ワセリンなど)の中に抗真菌剤を溶解させています。
このため、べとべとした使用感がありますが、ひび割れした水虫患部に適しています。

上記の使い分け方は、一つの目安としてご理解いただければよいでしょう。
実際の水虫薬の使い方としては、しばらく使用してみて、ご自分の好みに合った、一番使いやすいものを皮膚科医や薬剤師に伝えてください。


posted by 水虫博士 at 21:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫の基礎講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月05日

水虫の基礎知識 2、水虫菌の種類

「水虫」という言葉は俗語です。
「水虫」は、人や獣(けもの)の皮膚組織にカビが寄生している皮膚感染症を広く意味します。
カビは、正式には真菌という巨大な生物群に属するものですが、ヒトに対する病原性を持つものはごく限られています。

皮膚真菌症の種類と患者数については、日本における大規模な疫学調査の結果が報告されています(2002年)。
それによると、皮膚糸状菌症(白癬症)が89%、皮膚カンジダ症が8%、癜風(でんぷう)・マラセチア症が2%となっており、これらがいわゆる水虫と呼ばれているものになります。
興味のある方は、原著もご覧ください。

上に書きました、皮膚糸状菌症(白癬症)、皮膚カンジダ症、マラセチア症が真菌による皮膚感染症である、と法的に認められていることになります。
それぞれの皮膚感染症の原因菌は、下記のものになります。
 皮膚糸状菌症:トリコフィトン属菌、ミクロスポルム属菌、エピデルモフィトン属菌
 皮膚カンジダ症:カンジダ属菌
 マラセチア症:マラセチア属菌
日本における皮膚糸状菌症の起因菌としては、トリコフィトン・ルブルムとトリコフィトン・メンタグロフィテスが全体の90%以上を占めるといわれています。
また、最近では格闘技の競技者の間で流行しているといわれている、トリコフィトン・トンズランスによる頭部水虫も話題になっていますね。
動物由来の皮膚糸状菌としては、犬小胞子菌(ミクロスポルム・カニス)が良く知られています。
例えば、野良猫を拾ってきて飼っていると、顔や腕に赤くて丸い小さな斑点ができることがありますが、これが動物由来の水虫です。
 ブログ記事の例 写真例

上記の3種類の真菌は皮膚真菌症の病原菌として指定されていますので、これらの菌は普通の実験室では取り扱いが禁じられています。
水虫の人はどこにでもいますので、これらの3種の病原菌はそこら中に散らばって落ちているのですが、そしてこれらの菌の感染力や病原性も弱いのですが、許可を得て登録した施設でないと扱えない、という変なことになっています。
そしておそらくはこの制限があるために、皮膚科医ですらこれらの菌を扱うことは容易ではなく、これらの病原菌に関する研究がとても遅れてしまっています。

最近になってカビの遺伝子解析による同定技術が進展し、上記3種類以外のカビによる皮膚真菌症が大学の研究室レベルで話題になるようになってきました。
例えば、爪真菌症(爪水虫)の原因菌として、アスペルギルス菌やフサリウム菌が報告されています。
 爪真菌症の例
また、私が検討している範囲内では、雑多な真菌が皮膚真菌症の原因菌となっていることが明らかになりつつあります。
現在皮膚科領域で使われている水虫薬は、上記3種類の病原菌を用いて試験・開発されたものですので、それ以外の雑多なカビが原因菌である場合には当然のことながら効きません。
水虫薬が効きにくい理由の一つが、この学問的な遅れにあるのです。


posted by 水虫博士 at 11:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫の基礎講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月02日

水虫の基礎知識 1、水虫の部位と名称

前書
このブログでは、これまでに二度にわたって「水虫の基礎知識」講座を書きました。
そして今回、さらに詳細な「水虫の基礎知識」講座を書きたいと考えています。
第1回目は、「1、水虫の部位と名称」です。
読者諸賢のご質問なども歓迎します。

1、水虫の部位と名称
「水虫」という言葉は、とてもよく知られています。
しかし、それ以上の詳しい話になると、ほとんどの方が何も知らないと思われます。
水虫とは、皮膚の一番外側のごく薄い層(角質層、または角層)にカビ(白癬菌)が寄生している皮膚病です。
水虫は、普通は足の裏や足指の間(趾間)、足の爪にできることが多いのですが、それ以外にも手や体幹部、股間、頭部など、身体中どこにでもできます。
つまり、カビが付着して感染した部分が水虫になります。
そして、感染している部位に応じて、多様な固有名詞がついています。

水虫の感染部位に対応した名称を下図に示します。

        yjimage.jpg

まず、足の水虫からご紹介しましょう。
足の皮膚に最初にできるのは、小水泡型水虫です。
これは、小さな水泡を伴う皮膚症状ができるもので、足裏や足指間(趾間)にできて、強いかゆみを伴うことが多いです。
この小水泡型水虫が慢性化してくると、皮膚層全体に水虫菌が住み着いて皮膚が硬くなっている角質増殖型水虫へと変貌します。
小水泡型水虫は水虫薬を塗ることで治せる可能性がありますが、角質増殖型水虫は内服薬の適応になります(つまり、とても治りにくいです)。
小水泡型水虫、角質増殖型水虫および趾間水虫の症例(写真付き)を添付します。
 小水泡型水虫の例
 角質増殖型水虫の例
 趾間水虫の例

足の水虫でもう一つ多いのが、爪水虫です。
爪は皮膚組織の一種で、爪にもケラチンという蛋白質が含まれており、白癬菌のエサになります。
爪水虫も基本的に内服薬の適応になります。
 爪水虫の例

手の水虫は、基本的に足の水虫の場合と同様です。
手に特異的な特徴はないようです。
 手の水虫の例

インキンタムシは,股間(陰股部)にできるものです。
股間は湿気が多く、水虫や皮膚カンジダ症ができる部位になります。
 陰股部水虫の例

タムシ・ゼニタムシは、体部(体幹部、上下肢)にできる水虫です。
体幹部にできる難治性の水虫は、頑癬という固有名詞があるほどに治りにくいようです。
 体部水虫の例

しらくもは、頭部にできる水虫です。
頭部には毛髪が多く、毛髪中にもケラチンが含まれていますので、毛髪や毛根部なども水虫に感染します。
それでも、基本的には皮膚の水虫と同じであると考えて良いでしょう。
 頭部水虫の例

以上のように、身体中あらゆる部位で水虫はできてしまいます。
一旦水虫に感染すると、それは自然治癒しないようですので、水虫薬を使って治療するしかありません。
上記のどの部位の水虫にしても、治りにくいことに変りはありません。

posted by 水虫博士 at 00:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫の基礎講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする