2009年06月09日

獣医の水虫論

獣医のありしゃらパパさんが、水虫論を書いています。
ご自身が書いているコメントでは、「自分のためだけに記事書くとこんな感じになる。・・・どうだつまらんだろう?ww 」、ということです。
専門知識に興味のある方は、挑戦してみましょう。

皮膚糸状菌症
「★皮膚糸状菌
子嚢菌門に属する多種の真菌の一般名。ケラチン好性で動物の皮膚や毛、爪に感染して疾病を起こす。
動物に感染するのはMIcrosporum属(小胞子菌)とTrichophyton属(白癬菌)の2属。人にはさらにEpidermophyton属(表皮菌)が感染する。
20種以上が感染するが多いのは犬ではM.canis、M.gypseum、T.mentagrophytes。猫ではM.canis。なお臨床検査では種の同定までは普通できない。同定には検査機関などで培養を行う必要がある。
感染は感染動物との接触の他、土壌からも感染する(土の中に普通に生息している。)またブラシやバリカンなどを媒介として感染することもあるので、多数の動物を扱う場所ではこれらの器具の消毒を忘れてはならない。
★症状
<猫>子猫での発症が多く、病変は耳介・顔面・四肢に多い。成猫では一般に症状は軽度で、脱毛(切れ毛)にとどまることも多い。皮疹を認めることもあり、長毛種では粟粒性皮膚炎(丘疹・痂皮形成)
<犬>猫よりも重症化することが多い。毛包炎による丘疹・脱毛。多くは局所的で全身に広がることはまれだが、免疫機能の異常があると全身性になることもある。また二次性の膿皮症を併発することも多い。
上記は浅在性真菌症で、感染は表皮・毛包上皮に限局している。深在性真菌症では真皮内に侵入する。急性化膿型(ケルズス禿瘡)と慢性肉芽腫型がある。
★検査
@ウッド灯;紫外線を照射すると菌のある種の代謝産物が蛍光を発することを利用した検査法。真菌感染があると黄緑色の蛍光発色がみられる。簡便だが検出率は決して高くない。(M.canisの約半数が陽性となる。)スクリーニング的な検査で確定診断は必ず以下の検査によって行う。偽陰性率が高いので除外診断に使えないことは言うまでもない。
A直接検出:皮膚掻爬試験および抜毛試験によって菌糸を直接検出する。被毛の場合、毛の形態異常、毛皮質に菌糸の走行がや「石垣状真菌要素」という特徴的な所見が認められる。KOHで角質を溶解させると確認しやすい。
B真菌培養:抜毛またはマッケンジーブラシ法によりサンプルを採取し培地に接種する。最も確実だが検査に時間がかかる(2〜3週間)
・皮膚糸状菌検査用培地(DTM培地):pH指示薬と雑菌の繁殖を抑える抗生物質が含まれている。糸状菌が産生する物質によってアルカリ性になると培地の色が(黄⇒赤)に変色する。ダーマキットという簡易培地が市販されている。http://www.kyoritsuseiyaku.co.jp/product/view.php?products1_kind=11#product1_53 
・サブロー寒天培地:ペプトンと高濃度ブドウ糖の培地。DTMは糸状菌に特異的で一般真菌のスクリーニングに向かないためこの培地を使用することもある。
★治療
治療には時間がかかり1ヶ月以上を要する。症状消失後もしばらく投薬を続ける。
@抗真菌薬
・グリセオフルビン:通常25〜30mg/kg BID、最大60mg/kg
 猫で副作用が強い。胃腸障害、肝機能障害、骨髄抑制、発熱、沈うつ、運動失調、掻痒。特にFIV陽 性猫で強く発現するとされる。
 http://www.e-pharma.jp/dirbook/contents/data/prt/6172001J1041.html
・イトラコナゾール(イトリゾール®):5mg/kg SID
 副作用は胃腸障害、肝機能障害、沈うつ
 http://www.e-pharma.jp/dirbook/contents/data/prt/6290004M1029.html
・ミコナゾール(フロリードD®):外用
 http://www.e-pharma.jp/dirbook/contents/data/prt/2655702N1060.html
・テルビナフィン(ラミシール®)
 http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se62/se6290005.html
A消毒薬
・外用で治療に使用:クロルヘキシジン(ヒビテン)。ポビドンヨード(イソジン)。
・器具・環境の消毒:クロルヘキシジン、逆性石鹸、アルコール、塩素系、クレゾールなど。
Bシャンプー
・コラージュフルフルhttp://karadanokabi.jp/product/01.html
 有効成分:ミコナゾール
・ホスティーンShttp://www.kyoritsu-shokai.com/shampoo/fosteens/
 有効成分:硫黄、サリチル酸
☆人の糸状菌症
糸状菌症は人獣共通感染症である。白癬菌症(水虫、いんきん・たむし、ケルズス禿瘡(頭部))はTrichophyton属が原因になるので動物→人感染が問題となる。人→動物感染はごくまれ。」
http://blogs.yahoo.co.jp/alishara_papa/1838421.html

医師は、人や動物の病状を診察して病名を判断し、それを治療しなければならないという高度な義務を負っています。
このため、多種多様な専門知識を蓄積しておかないと仕事になりません。
この記事は、皮膚糸状菌症というごく一部の感染症に関するものですが、それでもこれだけ膨大です。
医師とは大変な職業ですね。

皮膚糸状菌症(水虫)は人畜共通感染症なのですが、記事には人→動物感染はごくまれ、と書かれています。
これは、犬や猫には鋭い爪があるので抱いたりすると腕や胸に引っ掻き傷ができて、その際についでに水虫菌もうつる、ということになるのですが、人には鋭い爪がありませんので、そしてまた動物にはふさふさした毛がありますので、人の水虫が動物にうつることは少ないのであろう、と思われますね。
人の手の爪水虫から体部に水虫がうつるのは、おそらくは爪を切った直後には爪の切断面が鋭利になっており、これで皮膚を引っ掻いた際に水虫菌がうつると思われます。
普段は爪先が丸くなっていますので、皮膚が傷つくこともなく、水虫がうつることも少ないでしょう。
posted by 水虫博士 at 09:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 皮膚科医の水虫論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは
いろんな人のブログを見ていました。
参考にしたいと思います。
私のブログも見てください。

興味がなければ、すいません。スルーしてください。






Posted by ただ at 2009年07月04日 16:39
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