2009年09月21日

カビ人間

全身に広く水虫(皮疹)が広がっている人がいたそうです。
題して、恐怖カビ人間・・・

『恐怖!黴人間現る!!』
「 それは忘れもしない9月3日の話。9月2日の23:45頃、SCUへ急患が搬送されてくる連絡がありました。私はその日の仕事は全体フォローという名のフリー業務だったので、患者を受けいれる係でなく受け入れのバックアップを担当しておりました。9月3日0時過ぎに患者が搬送されてきました。患者は痙攣の重責発作で家で1回、救急車の中でも1回痙攣を起こしています。着いた時は全く意識がない状態(意識レベルJCS300)でした。バックアップ担当の私は一緒に来た家族を控室へ誘導し、連絡先などの記載方法を簡単に説明し患者のところへ。脳卒中疑いの患者は何はともかく頭部のMRIを取るので金属が全身についてないか見るためにも服を脱がせます。その患者の服を脱がしていくと、直径5〜6cmの皮疹が全身に点在していました。そして、両鼠径部から陰部を経て臀部全体から腰までの皮疹が広範囲に渡っており、発赤というよりも皮が一枚向けたような状態でかなり酷く、
「何コレ?疥癬(皮膚病の一種)?」
「でもなんか酷過ぎるし、怪しいよなぁ?」
とのスタッフ間の意見で私はすぐさま家族に聞きに行きました。しかし家族は「何か皮膚の病気があるらしく薬を本人が通院中の病院からもらってたが、ちゃんと医者には見てもらってない」とのことでした。私が家族から他にもいろいろ既往歴を聞いて再び処置中の病室へ帰ってくると患者が再度痙攣発作を起こしており、抗痙攣剤を投薬したり、ジャクソンリースで換気したりなど処置していました。暫くして痙攣発作が治まり、状態も安定したためMRIへ私が搬送しました。MRIの結果、脳卒中は否定されましたが未だ意識がない状態。とりあえず一晩はSCUで管理することとなりました。そして、深夜勤担当者に申し送る頃には患者のレベルもやや上昇(JCS200程度)していました。
 9月3日の日勤でのその患者の担当は私でした。患者は2時過ぎから覚醒し、ずっと同じことを叫び続けていたそうです。元々アルコール依存症の既往があったので、医者共に今回の痙攣重責発作は「やっぱその影響じゃないの?」という意見でまとまりかかったのですが、相変わらず謎の皮疹があるし、痙攣発作の原因の診断をつけなければ治療ができない、そしてさまざまな都合で病棟が受け入れてくれなかった、ので脳卒中じゃないのにSCUへ1日居残りになりました。皮疹については皮膚科に紹介していましたので、皮膚科の判断待ち。それまで患者はずっと精神科領域の病気的な感じでずっと同じことを繰り返し叫び続けていました。
12:40過ぎに皮膚科Drが往診に来てくれました。とりあえず一番酷い臀部を見せると一言、
「あ〜こりゃすごいな」
そして昨日も私と一緒にこの患者を受け入れした看護師さんが、これは何か聞くと
「ん?いわゆるインキンタムシ」
と。インキンタムシとは、白癬菌の感染、つまり水虫と同様の病気です。白癬菌とは菌と書きますが、乳酸菌や大腸菌などの細菌と違って真菌という分類。真菌とは言い方変えますと所謂、カビなのです。あの有名な菌漫画「もや/しも/ん」でも「人体に王国を築く菌」として有名です。
皮膚科Drが指示出して去った後・・・うぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!!!!と、私と一緒に昨夜から勤務してた看護師さんは叫びました。つまり、この患者さんは全身水虫って事なのです。緊急の患者を受け入れる時は失神して失禁などしていることが多いし、転倒してどこか怪我して流血している可能性もあるので、必ず手袋対応ですし、皮膚がずっと気になってたので私もその患者さんに対応する時は必ず手袋とマスクを着用して行ましたが・・・いぃぃぃやぁぁぁ〜〜!!!み、み、み、水虫触っちゃった〜!!
 そのことが判明してから、処方されたラミシールクリーム(抗真菌剤軟膏)を1日で1本使い切る勢いで全身に塗りたくりました。そして今回の痙攣の原因がこの真菌による髄膜炎ではないかということで、腰椎穿刺の処置がありその時は医者、看護師全員でアイソレーションガウン(感染性の高い菌保持者に使用する医療用ディスポガウン)及びディスポエプロン着用で対応していましたが、着用しつつも私は「自分は絶対、手遅れや…すでに全身が水虫に侵されてる・・・」とかなりテンションが下がっておりました。
業務終了後、病棟会議があったのですがどうしても気持ち悪くて「5分遅れます!!」とスタッフに告げ、更衣室のお風呂で全身を洗ってから出席しました。仕事終わって即お風呂って初めてです。
翌日、その患者さんは無事(?)病棟に転棟していったので水虫菌の恐怖からは逃れました。
 想像できない方は意味分からなかったでしょうが。想像できた方、背筋が寒くなったでしょう?ある意味、私にとってはこの夏どんなホラーよりもホラーな出来事でした・・・。
 あ、ちなみに私は無事でしたよ、白癬菌に王国は築かれませんでした。」
http://blogs.yahoo.co.jp/aaa36362002/49048700.html

全身に直径5−6cmの皮疹(水虫)がある、というのは凄くて怖いですね。
陰股部は全体が一皮むけたように赤くなっている、ということですが、陰股部についてはカンジダ症と水虫との混合感染が起きていると思われます。
看護婦さんはこのような患者の処置もせねばならず、職業柄とは言えお気の毒ですね。

それにしても、患者の痙攣の原因として真菌(水虫菌)による髄膜炎を疑って腰椎穿刺を行った、というのはいかがなものでしょうか。
水虫菌が体内へと入るというのは、余程のことがない限り(たとえばエイズ発症など)考えにくいのではないかと思うのですが・・・
まぁ、水虫持ちの人は、できることなら水虫を治療しておいて、過度の心配や誤解をされないようにしておくのが賢明なようです。
posted by 水虫博士 at 12:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫の豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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