2006年08月15日

水虫薬の内服療法にご注意!

片山敦さんは、新横浜にあるPET施設【ゆうあいクリニック】理事長をされており、一内科医として、一経営者として病気の情報、あるいは経営、医療環境に関する考え方を、「非公式な立場」で発信しています。
爪水虫の治療法としては抗真菌剤の内服療法が用いられていますが、この内服療法にはかなりの危険(副作用)が伴うことから、片山さんは、「抗真菌剤の内服療法は慎重に行うべきだ」 と警告しています。

爪の水虫見つけたら〜」:記事全文
松平健さんのCMでおなじみですね。

これはノバルティスという会社のCMで、「爪の水虫」を心配して「お医者さんに」行ったひとが「ラミシール」という飲み薬を処方されると嬉しいな、という意図の下に作成されています。ラミシールの薬価は1日分277.4円ですから、爪白癬が治るまで半年も飲んでもらえば、5万円ほどの売り上げになるわけです。

ところで、医師向けの書籍にはラミシールの項にこんな記述があります。

警告!! 外国において,重篤な肝障害(肝不全,肝炎,胆汁うっ滞,黄疸等)及び汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されている.本剤を使用する場合には,投与前に肝機能検査及び血液検査を行い,本剤の投与中は随伴症状に注意し,定期的に肝機能検査及び血液検査を行う等観察を十分に行うこと.本剤の使用に当たっては,添付文書を熟読のこと

!!も含めて原文のままです。結構怖くないですか?
死亡例もあるとしっかり書いてあります。

反論はあるでしょうが、私はこう思います。

・(1)皮膚科あるいは皮膚科で充分な研修を受けた他科の医師が、(2)顕微鏡で白癬症と診断し、(3)治療のデメリットがメリットを上回ると判断して、(4)きちんとした説明のうえで処方されていること。
・内服開始から2か月は毎月、それ以降は3か月に1回、(5)肝機能を含む血液検査をされていること。

それ以外の方は、処方医に相談されて、内服を考え直したほうが良いのではないでしょうか?
ラミシールのみならず、同様の薬効をもつ「イトリゾール」はなんと1日薬価5098.4円です。
どんな薬にも必ずメリット、デメリットはあります。ご存じないかもしれませんが、市販の風邪薬でも副作用死の報告があるのです。

処方した薬に関して患者さんが納得できるようにそれを説明するのは医師の責務です。私が一貫して申し上げているのは「医療従事者と患者さんが対等である医療」です。これは、リスクなど重要な医療情報においては特に重要だと思います。

「リスク」は医療以外でも当然の概念です。
例えば、「毎日」飛行機に乗っていると、200年に1回は墜落の危険があるといいます。それはほとんどの人にとっては無縁かもしれませんが、ある人にとっては今日のことかもしれません。そのリスクを上回るメリットがあると考えてあなたは飛行機に乗るのです。

先日の日記でも触れましたが、血圧180/100の方が、「薬の副作用が怖いから」と薬を拒むのはナンセンスだと思います。
健康を他ならぬ自分の問題としてとらえ、充分な情報のもとで正確な判断を下せる、そんな成熟した医療消費者の方々が増えてゆくことを祈りますし、私もそのための努力を続けたいと思います。
http://blogs.yahoo.co.jp/rijichonikki/17272640.html

片山さんは、爪水虫の治療にラミシールやイトリゾールなどの内服療法を使うのは、メリット(爪水虫解消)よりもデメリット(副作用)の方が大き過ぎるのではないか、と考えられているようです。
確かに、爪水虫があっても日常生活にはさほどの障害はありませんが、内服療法を行うと肝障害などの副作用が数%程度は発生します。
爪水虫の内服療法は慎重に行われるべきだ、とする片山さんの警告は説得力がありますし、また、医師としての良識の発露でもあります。
内服療法には、医薬メーカーの儲け第一主義という側面があることも指摘されています。

私の経験では、爪水虫は外用剤を用いる外用療法で簡単に治すことができます。
水虫道場の記事もご参照ください。
水虫道場・爪水虫の書庫:http://blogs.yahoo.co.jp/y20113jp/folder/1253774.html
posted by 水虫博士 at 05:23| Comment(1) | TrackBack(0) | 水虫の本、知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
福毛さん、コメント有り難うございます。
ラミシールで爪水虫を治した、という経験者の一つのご意見だと思います。

片山さんのご意見は、妥当なものであると私は思います。
ですから、水虫専科でご紹介したわけです。
事実、抗真菌剤の内服療法は副作用があるのでいやだ、という方も多くいます。
この問題については、賛否両論があって当然だと思います。

私の意見としては、爪水虫を外用の塗り薬で治すことができれば最善であろう、と思います。
今のところはまだ達成できていない目標ですが、水虫の病態が十分に解明されれば実現できるでしょう。

私が今爪水虫の治療に用いているのは、液剤浸漬法です。
この外用剤を用いる方法で、爪水虫を簡単に完治できます。
内服療法を使えないケースに役立つと考えています。
Posted by 道場主 at 2006年08月15日 21:49
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