2007年01月19日

足の水虫は治るのですか?

皮膚科専門医の西本勝太郎医師は、「みずむしー専門のお医者さんが語るQ&A]という本を書かれています。
この本に書かれているQ&Aの中に、足の水虫は治るのか?という本質的な設問がありますので、それを原文のままご紹介します。

Q(質問)
五十代の男性です。ずいぶん長くみずむしに悩まされています。この病気は、症状がよくなっても完治することはないというのはほんとうですか。

A(回答)
この場合のみずむしが足白癬であれば(たいていに場合そうですが)、答えはノーです。
趾間型足白癬や小水疱型足白癬を外用抗真菌剤で治療すれば、四週間で八十%近くの患者さんは症状がいちじるしく軽快し、一部の患者さんでは肉眼的にまったく病気がなくなるところまできます。

ではなぜ、みずむしは完治しないなどの考えがあるのでしょうか。
多くの患者さんは、病状が強いときにはこまめに治療しますが、数週の治療で症状がなくなってしまうと、とたんに治療を中止してしまいます。四週間くらいの治療で中止すると、まず100パーセント菌は生き残っており、やがて再発します。角化型足白癬や爪白癬では治療期間はさらに長くなります。

それでは、このような足白癬の病変に対して、どのような治療を、どれくらいの期間続ければ再発を起こさないのか、ということですが、これがわかっていないのです。

しかし、わたくしの病院の外来で治療を行った患者さんのなかには、非常に少ないながら、完治したと判断できる方が何人かいます。要は根気と、情けないいい方ですが、病状しだいだとしかいえないのです。
「みずむしー専門のお医者さんが語るQ&A]、138頁 (保健同人社、平成8年発行)

西本医師は、とてもまじめな臨床医であり、学者さんでもあります。
その方が、「足白癬の患者さんのなかには、非常に少ないながら、完治したといえる方が何人かいる。それは、情けないいいかただが、根気と病状しだいだ」 と、医師としては苦悩に満ちた真情を吐露されています。

西本医師は、この著書の中で、白癬菌は人体の中で常在細菌に近い存在になっているために白癬菌を除去し去ることが困難なのではないか、という説を述べられています。
この本は、細部に至るまで西本医師の細かな心配りが行き届いた名著です。
水虫を深く理解したい方には最適の一冊ですね。
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2006年06月13日

紫外線ランプは水虫に効果があるか?

Q:
市販の紫外線ランプの照射は、水虫に対して効果があるのでしょうか?

A:
紫外線には殺菌効果があり、食品の製造工程や保存などに使われています。
しかし、紫外線の殺菌効果はそれほど強いものではありません。
紫外線ランプの照射で水虫菌を殺すためには、皮膚が傷つくほどの紫外線量が必要です。
ですから、水虫菌に対する殺カビ効果があるかどうか、という点では、紫外線ランプ照射はほとんど役に立ちません。

解説
これらの紫外線療法が効果があると考えられるのは、紫外線を当てて足を乾かす効果くらいでしょう。
しかし、足指の間を乾かすためには、単に足指の間を広げて乾かせばそれで十分であり、紫外線を用いる必要は全くありません。

ネット上では、水虫に対して効果がある、という宣伝をして紫外線照射装置が販売されています。
しかし、この装置は、角質層の深部に住み着いた水虫菌を殺す能力はない、といえます。
つまり、虚偽の宣伝・誇大宣伝ですね。

厄介なのは、この紫外線照射装置に対して、国が認可を与えている、という点です。
しかし、この国の認可は、紫外線には殺菌・殺カビ効果がある、という観点から出されているもので、水虫を治す効果がある、ということではないのです。
日本の厚生労働省は、問題意識に欠けた、きわめてお粗末な厚生行政を行っています。
この紫外線照射装置のように、何の効果も期待できない商品(機器類、医薬品)が宣伝・販売されるケースを野放しにしているのです。
医療行政に関しては、私たちが自衛するしか方法がない場合が数多くあります。

当水虫専科では、紫外線照射装置には水虫治療効果がない、ということをお伝えしています。
水虫に対する治療効果を期待できないものは否定する、という基本姿勢をとっています。
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2006年06月12日

足の臭いは、水虫と関係があるのか?

Q:
足の臭いが気になります。
足に水虫ができていますが、異臭と関係があるのでしょうか?

A:
水虫が臭いの直接の原因ではありません。
足の臭いは、汗や汚れを細菌が分解することによって発生します。

これからの暑い季節には、足に汗をかきやすく、蒸れてきます。
特に、湿気の多い靴やブーツの中では、いろいろな細菌が繁殖し、汗や汚れを分解します。
この細菌の活動の結果として作り出された物質が、臭いのもとになります。
これらの臭いの代表的な物質としては、酪酸が知られています。
酪酸は、有機酸といわれる化合物群に属するもので、酢酸も有機酸の仲間です。
爪の間にたまる垢には、酪酸が含まれているといわれています。

足の臭いを防ぐには、足を清潔にし、乾燥させることが最も効果があります。
足の臭いが気になる方は、1日に2〜3回、せっけんで足の汗や汚れを洗い落とし、水で十分洗い流したあと、完全乾燥させましょう。
市販の発刊防止作用のある薬剤を使うのも一つの方法ですが、効果は一時的です。

靴下や履き物は、通気性の良い素材やデザインのものを選び、できるだけ何回もはきかえましょう。
5本指靴下をはくこと、靴の乾燥を心がけること、なども足の臭い防止に効果的です。

当ブログの、5本指ソックス靴乾燥機、のコーナーもご参照ください。
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2006年06月05日

水虫であることの証明

Q:水虫であることを証明するためには、どうすれば良いのですか?

A:
皮膚がめくれてかゆみがある場合には、水虫かな、と思ってしまします。
しかし、外見の症状だけでは、水虫であると断定することはできないですね。

水虫であると断定するためには、患部から皮膚や爪の破片を採取し、それらを培地に接種して白癬菌を培養・分離する必要があります。
そして、白癬菌のコロニー(集落)を分離できたら、そのコロニーの性状を観察することにより、あるいは遺伝子解析を行うことにより、白癬菌の種類を同定することができます。
言うまでもなく、これらの作業は高度の専門知識を持った研究者が行うことになります。

日本では、水虫はほぼ2種類の白癬菌によって引き起こされています。
紅色菌(トリコフィトン・ルブルム)と趾間菌(トリコフィトン・メンタグロフィテス)です。
この2種の白癬菌については、公立病院の皮膚科医であれば容易に鑑別できます。

私自身も、自分の水虫患部からこれらの2種の白癬菌を分離しています。
市販のカンジダ培地(日水製薬)を用いて水虫患部の皮膚や爪を培養し、これらの白癬菌を分離しました。
もちろん、最初は培養したコロニーを皮膚科医に鑑別してもらい、知識を得ていきました。
白癬菌の培養そのものは簡単で、室温で実施できます。
ご参考までに2種類の白癬菌コロニーの写真を添付しておきます。

     SY4-186-120.jpg     紅色菌

     SY4-212-120.jpg     趾間菌
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2006年06月04日

水虫の診断法とは?

Q:
水虫を診断する方法とは、どのようなものですか?

A:
皮膚に水泡ができたり、皮膚がめくれたりする異常は、多くの原因によって起こります。
このため、これらの皮膚の異常が水虫菌によるものかどうかを外見だけで見分けることは、皮膚科専門医でも難しいのです。

水虫かどうかの診断は、患部に水虫菌がいることを確認することで行います。
現在、水虫の診断法として一般的に行われているのが、カセイカリ検鏡法という検査法です。
この検査では、水虫菌に侵されている患部の皮膚をハサミやピンセットで少量はがし取ります。
採取した皮膚片(角質層)を顕微鏡用のスライドグラスにのせ、カセイカリ溶液(濃度10〜40%)を加えて浸します。
スライドグラスを少し温めると、皮膚片は10分ほどで溶け始めるので、顕微鏡で観察して水虫菌の有無を調べます。
水虫菌がいる場合には、下の写真のように、カビの菌糸や胞子を確認することができます。

     101hakusen.jpg

カセイカリ検鏡法は水虫菌を確認するための簡便な方法ですが、熟練と慣れが必要です。
素人が簡単にできる方法ではないようです。
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2006年06月02日

水虫菌が内臓に感染することはあるのか?

Q:
5月25日付で、「水虫が原因で指切断!!」と題する記事をご紹介しました。
このケースでは、水虫菌が骨にまで達して骨髄炎を起こしています。
水虫菌が内臓にまで感染するケースは多いのでしょうか?

A:
カビの仲間であるアスペルギルスやクリプトクックス、カンジダなどは、内臓に病変をつくりやすいことで知られています。
しかし、これらの内臓の真菌症は、ヒトの身体に対外的な防御力の欠陥が生じた場合に発生する、いわゆる日和見感染といわれるものです。
このような防御力の欠陥は、白血病、リンパ腫、糖尿病、癌末期症状、抗腫瘍剤・免疫抑制剤・ステロイド剤の使用時などに見られることがあります。

水虫菌が内臓に病変を形成することは、まれに報告されています。
この場合も、やはり日和見感染になります。
ですから、通常は水虫菌による内臓感染(深在性真菌症)を心配する必要はありません。

しかし、水虫は治せる間に治しておきたいですね。
誰しも介護が必要なときは訪れるのでしょうが、そうなってからでは水虫完治は困難です。
posted by 水虫博士 at 05:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月24日

水虫のセルフケアの注意点は?

Q:
水虫のセルフケアとは、どんな点に注意すれば良いのですか?

A:
水虫のセルフケアとしては、清潔と乾燥が大切です。
足の清潔と乾燥は、水虫を悪化させないために、そして日頃の不快な水虫症状を軽くするためにも必要です。

水虫のセルフケアでは、次の点に留意しましょう。
1、足の指を乾燥させる
  厚すぎる靴下や窮屈な靴は避けましょう。
  5本指靴下の使用がおすすめです。

2、足や指の間(趾間)を清潔にする
  せっけん(普通のもの)で洗い、洗ったあとは十分に乾かす。
  パウダー類や健康用品を使う必要はありません。

3、できれば一日に何度か靴を脱いで、足指のリラックスや乾燥を心がけましょう。

ただ、水虫患部をいくら清潔・乾燥させても、それだけで水虫が治ることはありません。
皮膚の中に住み着いた水虫菌を殺して消滅させるためには、水虫薬(抗真菌剤)を使わなければなりません。
水虫のセルフケアは、水虫薬療法の補助的な役割を担うものです。
posted by 水虫博士 at 08:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月23日

水虫に効く靴下とは?

Q:
水虫に効果があるという靴下がありますが、どの程度の効果があるのでしょうか?
また、水虫の治療中には、どのような靴下が良いのでしょうか?

A:
水虫の治療中にはく靴下としては、厚すぎる靴下を避ける、という程度で良さそうです。
一番大切なことは、清潔と乾燥を心がけることです。
5本指靴下を使うとか、手まめに洗った靴下と交換することが、水虫対策・水虫予防の効果があります。

靴下の素材に水虫薬や銀(Ag)を含ませたものは、その部分では水虫菌を抑える働きがありますが、指の間に住み着いた水虫に対しては何の効果もないでしょう。
抗菌素材の靴下は、水虫菌が皮膚に付着して増殖することを予防するためのものです。
既に足にできている水虫を処理する目的のものではありません。
posted by 水虫博士 at 07:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月22日

水虫にはどんな症状が多いのか?

Q:
水虫には、どんな症状が多いのですか?
症状によって治療の内容も異なるのでしょうか?

A:
足の水虫の症状は、4つに分けられます。
1、足の指の間が白くふやけた状態になり、ひどくなるとただれてくる (趾(し)間型水虫)
2、足の指や足の裏に小さな水ぶくれができる (小水疱型水虫)
3、足の裏全体が分厚くがさがさになり、小さなひび割れができる (角化型水虫)
4、爪が白く濁ったり、分厚くなったり、あるいは爪が崩れてくる (爪水虫)

水虫は、白癬菌というカビが皮膚に寄生する病気です。
日本では、紅色菌 (トリコフィトン・ルブルム) と趾間菌 (トリコフィトン・メンタグロフィテス) という白癬菌が水虫の主な原因菌になっています。
趾間型水虫では、紅色菌と趾間菌がほぼ半分ずつ、小水疱型水虫では趾間菌がやや多く、角化型水虫や爪水虫ではほとんどが紅色菌によっておきています。

市販の水虫薬は、これらの2種の水虫菌に対して同じように効きます。
ですから、水虫の症状によって水虫薬(薬効成分)を使い分ける必要はありません。
また、液剤やクリーム剤などの剤形についても、水虫の症状にあわせた使い方をする必要はなく、患者の好みや使いやすさで選べば良いでしょう。
posted by 水虫博士 at 08:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月20日

水虫になりやすい足の指の形とは?

Q:
足水虫になりやすい足指の形があるのでしょうか?

A:
足の指の形は水虫になりやすいかどうかに関係しているだろう、と皮膚科専門医は考えています。
(西本勝太郎医師、「みずむし」、114ページ)

水虫が治りにくい足指の特徴は次のとおりです。
  1、指の間がぴったりとくっついている
  2、指が前提的に太くて丸い
  3、足先がとがっていて、指先が集中するようになっている
  4、指の動きが悪い

このような指の形をしていると、
  1、指の間の湿気が多くなる
  2、指の間を十分には洗いにくい
  3、洗ったあとも乾きにくい
と考えられます。

上述のような足指の形をしている人は、指の間の清潔と乾燥を保つように意識して、水虫の予防・治療を行うことが好ましいでしょう。
posted by 水虫博士 at 07:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月19日

水虫はかゆい?

Q:
水虫と診断されたのに、かゆみが全くありません。
水虫はかゆい、と聞いたのですが、本当に水虫でしょうか?

A:
かゆみのない足水虫はあります。
角化型という皮膚が分厚くなるタイプや、足の皮がむけてくるタイプの水虫では、普通はかゆみがありません。
爪水虫でもかゆみはありません。

足水虫の症状は、さまざまです。
かゆみの有無だけでは水虫かどうか判別できませんので、皮膚科医による水虫菌検査を行って水虫かどうか確認する必要があります。

皆さんが水虫だ、と気がつくのはどんなときでしょうか?
足の指の間がかゆいので見てみたら、皮膚が白くなって皮がむけていた、というようなケースが多いでしょう。
しかし、最近では隠れ水虫が話題になっています。

隠れ水虫とは、外見上は全く正常な皮膚のままであり、かゆみも全くないのに、皮膚の中で水虫ができているケースを指します。
しかも隠れ水虫でも重度の水虫であることもあります。

隠れ水虫は、それを見つけることすらできません。
水虫菌は人の皮膚に非常に良く順応しているのだ、というしかありませんね。
posted by 水虫博士 at 08:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月18日

水虫ってなに?

Q:
みんなが嫌がっている水虫って、なぜできるのですか?

A:
きたない、オジサンがなる、と嫌われている水虫ですが、これは白癬菌(皮膚糸状菌)というカビが皮膚に寄生しておきる病気です。
きたない、とか、オジサンとかは全く関係はなく、運悪く白癬菌と接触してしまった人が水虫になります。
老若男女は関係ありません。

日本では、水虫の98%以上が2種類の白癬菌によっておこります。
一番多いといわれているのが、トリコフィトン・ルブルム(紅色菌)です。
2番目に多いのが、トリコフィトン・メンタグロフィテス(趾間菌)ですが、両者の比率はほぼ同じです。
斜面培地を用いて分離培養した写真を下に示します。

水虫はよく見られる皮膚病ですが、しかし、皮膚科専門医でも一見しただけで水虫かどうかを見分けることは難しい、といわれています。
水虫である、と確定するためには、2つの方法が行われています。
1つは、患部の皮膚を採取して培養し、水虫菌を確認する方法です。
この方法がもっとも確実であり、菌種を確定あるいは推定することができます。
もう1つは、患部の皮膚を採取し、顕微鏡を用いて白癬菌を確認する方法です。

皮膚科専門医ですら見ただけでは水虫かどうかわかりにくいのですから、素人が水虫を見極めることは不可能ですね。
水虫だ、といって皮膚科を訪れる人の5.5%が水虫ではなかった、という統計があります。
水虫になった、と思っても、最初は皮膚科へ行くのが良いようです。


     SY4-186-120.jpg     トリコフィトン・ルブルム(紅色菌、Trichophyton rubrum)

     SY4-212-120.jpg     トリコフィトン・メンタグロフィテス(趾間菌、Trichophyton mentagrophytes)
posted by 水虫博士 at 08:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月17日

水虫は足以外にもうつる?

Q:
水虫は足以外にもうつるのですか。
どのような条件があれば、足以外にうつるのですか。

A:
水虫菌は、白癬菌というカビの一種です。
カビですから、湿ったところを好んで生きています。

足に水虫があれば、身体のほかの部分にも水虫菌が付きやすくなります。
例えば、陰股部のつけ根などは湿った状態になっており、水虫の好発部位になっています。

足に水虫ができると、そこに薬を塗ったり、あるいはかゆいときには指で掻いたりします。
すると、場合によっては手の指や爪に水虫がうつることがあります。
手は身体のいろいろな場所に触れますので、手の水虫、特に手指の爪が水虫になると、身体中に水虫が広がりかねません。
足の水虫を処理する場合、手にうつらないように十分な注意が必要です。

ここで、手指の爪水虫の簡単な見分け方をご紹介します。
手指の爪の先端部は、爪と皮膚の結合部分がきれいな弧を描いています。
ところが爪に水虫が住み着くと、このきれいな弧が乱れてきます。
水虫が住み着くと、爪の下方へと結合部分が切れ込んでいくことが多いのです。
一度ご自分の爪先を確認してみてください。

最近、格闘技愛好者の間で頭部の水虫が蔓延しています。
この水虫はトリコフィトン・トンズランスという白癬菌によるもので、海外から輸入?されたものです。
この水虫は集団感染になりますので、その集団で協力して治療することが必要です。

猫や犬の水虫も、水虫感染源になります。
猫や犬を抱いたりすることにより、腕などに猫や犬の水虫菌がうつるのです。
この場合には小さな円状の水虫が多数できます。

水虫の感染は接触することによって起こりますので、感染部位は場所を選びません。
足の水虫が多いのは、単に足が水虫感染の機会が多いということだけかも知れません。
posted by 水虫博士 at 09:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月16日

水虫を治す薬はノーベル賞?

Q:
水虫を完全に治す薬を発明したら”ノーベル賞”だ、という話があります。
この話は本当でしょうか。

A:
少し前までは、水虫は治らない病気でした。
水虫の治療薬も十分な効果のあるものは開発されておらず、カビを殺す作用のある薬品が水虫治療に転用されている状況でした。
酢酸を水虫治療に用いていたのも、その一つの例です。
特に爪水虫は、「不治の病」といわれたほどに治療薬も治療法もなかったのです。
水虫を治したらノーベル賞、という話は、この頃に生まれたのでしょうね。

1960年代にクロトリマゾールという抗真菌剤(水虫薬)が開発され、ようやく水虫の薬物療法が軌道に乗ってきました。
そして現在では、ラノコナゾール、ブテナフィン、テルビナフィン、アポモルフィンなどのきわめて強力な抗真菌剤が水虫治療の場で使われています。

一般的には、薬は、症状に対する有効量の10倍量が、1回当たりに使用される用量になります。
ところが、水虫治療薬は、外用で使うという特殊事情があるにしても、10倍よりもはるかに高用量を用います。
例えば、クロトリマゾール(液、クリーム)では有効量の100倍の薬剤濃度を含んでいます。
ラノコナゾールなどの最近の薬では、有効量の数百倍以上もの薬物濃度を含んでいます。
そして、それでも水虫は治りにくいのです。

水虫菌というカビを殺す薬剤は、もう既に十分すぎる効力を持つ物質がいくつも開発されています。
それでも水虫は、治りません。
ということになれば、どうすれば皮膚の中に住み着いた水虫を殺せるのか、その手法を探していくことが、今後の水虫治療の課題になるでしょう。

この課題を医学的な手法で解明すれば、その研究者はノーベル賞をもらえる可能性は十分にある、と思われます。
posted by 水虫博士 at 07:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月14日

水虫は治らない?

Q:
最近は水虫に対する治療効果が高い薬が開発されています。
そして、水虫の解説書でも、執筆者(皮膚科専門医)は、「水虫を完全に治す」とか、「水虫は治せる」とかいう表題を掲げています。
しかし、水虫に悩む多くの人たちは、水虫ってほんとに治るの?という疑問を感じているのではないでしょうか。

A:
趾間型水虫や小水疱型水虫では、外用水虫薬で1ヵ月ほど治療すれば症状が著しく軽快し、一部の患者では外見的に症状が全くなくなります。
そして多くの患者は、症状が強いときには手まめに治療するのですが、症状がなくなると治療を止めてしまいます。
1ヵ月程度で治療を止めてしまうと、水虫菌はまだ生き残っており、やがて再発することになります。

それでは、趾間型や小水疱型水虫に対して、どのような治療を、どのくらいの期間続ければ水虫が再発しないのでしょうか?
実は、この治療上肝心な、基本的なことがまだ解明されていないのです。
もっと端的にいえば、水虫の完治とはどのようなことなのか、それが解明されていないのです。
かゆみや皮膚症状が出なくなったから完治だ、と皮膚科専門医が判断するようなお粗末な状況では、話にならないですね。

趾間型や小水疱型水虫では、皮膚症状が完全に消えて皮膚が正常化してから、さらに1ヵ月以上は薬を塗り続ける必要があります。
そして運良く水虫のタネである胞子を全滅させることができれば、水虫完治になります。

爪水虫では、水虫薬の内服療法で完治を確認できる場合が多いと思われます。
爪が変形したり、白色化や茶色化する症状が消失し、血色の良い健康な爪を回復すれば、完治になります。

水虫を完治させるためには、やはり水虫とはどのような病気であるのか、その病態生理を詳細に解明する必要があります。
現在の皮膚医学は、まだ夜明け前の暗闇の中です。
posted by 水虫博士 at 07:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月12日

片足だけ水虫?

Q:
左足だけが水虫になっています。
右足は何ともないのですが、なぜでしょうか?

A:
このように片足だけに水虫が見られるのは、ときどきある現象です。
いくつかの理由が考えられています。

1、本当に片足だけが水虫のケース
  私自身も、左足だけが水虫、という状態が30年も続きました。
  第一の要因は、水虫の感染力が相当に弱く、水虫菌が右足にうつる機会がなかったことでしょうか。
  水虫は趾間や足裏などの湿気のある隠れた場所にありますので、直接他へ接触する機会が少ないのでしょう。
  また、片足に水虫ができると、その水虫菌に対する身体の免疫力が高まり、新たな感染を予防します。

2、両足に水虫菌がいるケース
  水虫菌は両足についているのだが、片方の足だけ水虫菌増殖の程度が軽く、隠れ水虫の状態に留まっている。
  隠れ水虫とは、皮膚の表面は全く正常なのに、その皮下に水虫が進行している状態を指します。

3、両足に水虫菌がいるケース
  両足ともに水虫菌はいるが、一方の症状が強いために、もう一方の足の症状が見過ごされている。

「みずむし」の著者の西本勝太郎医師は、片側だけに足水虫が見られる患者でも、詳しく調べると健康な側の足からもかなりの割合で水虫菌を確認したそうです。
上記2,3の状態が多い、ということになります。
posted by 水虫博士 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月10日

水虫は遺伝するのか?

Q:
水虫の多い家族は、水虫家系と言われたりします。
水虫は遺伝するのでしょうか。

A:
皮膚科専門医によれば、水虫になりやすい家系は確かにあるそうです。
水虫になりやすい足の形や、汗かき体質を親から受け継げば、水虫の発症率も高くなるでしょう。
皮膚の表面への水虫菌の住み着きやすさとか、水虫菌に対する免疫学的な排除反応の強さなども遺伝的な性質のものです。
これらの点から、水虫になりやすい家系があることになります。

しかし、水虫の多い家庭では、その原因を遺伝に求めるよりも、生活環境のほうに問題がありそうです。
例えば、家族に水虫患者がいると、家の中に水虫菌を撒き散らしますから、他の家族も水虫になりやすくなります。
また、家庭での入浴状況や履き物の使用状況なども水虫感染の要因になります。
これらの要因は、水虫が遺伝的な家系であると誤解されるもとになる可能性があります。

水虫患者のいる家庭では、日頃から家族全員で水虫を予防するように工夫することが大切です。
そして、水虫になった人は、家族に水虫をうつさないように心がけることが義務であるといえます。
posted by 水虫博士 at 08:03| Comment(4) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月09日

水虫の感染力はどれくらい強い?

水虫に関する基本的な知識を、Q&A(質疑応答)の形でご紹介します。
Q:
水虫の感染力はどれくらい強いのですか。
家族に水虫の人がいたら、うつる可能性は高いのですか。

A:
水虫は、白癬菌というカビの一種が人間の皮膚に寄生する皮膚病です。
赤痢菌やO157などの細菌性伝染病と比較すれば、白癬菌はごく弱い感染力しかありません。

水虫は、水虫患者からこぼれ落ちた皮膚の破片が健康な人の足などに付着し、そこで水虫菌が増殖して皮膚の中へ入り、伝染していきます。
この経路では、24時間以上の時間経過が必要だとされています。
このため、毎日ていねいに足を洗えば水虫にかかりにくい、といわれています。

しかし、もっと直接的な水虫感染の経路も考えられます。
それは、水虫菌を含む水虫患者の体液に直接ふれるケースです。
このケースでは、水虫菌がすぐに皮膚の中へと侵入すると考えられます。
実は、私自身の経験ですが、マージャンをしていて水虫患者の足にほんの一瞬ふれただけで水虫に感染しました。
ですから、1日1回足を洗えば水虫にはかからない、という話は、必ずしも正しいわけではありません。

水虫菌の感染力は弱いので、まわりに水虫の人がいても、そう簡単には水虫の伝染は起こりません。
しかし、家族に水虫患者がいる場合には水虫菌がばらまかれた中で生活することになりますので、常に水虫感染の危険にさらされます。
最近の調査では、「同居家族に水虫の人がいる」という要因がある場合には22.3倍という高確率で水虫患者が存在する、ということがわかりました。
家庭内では水虫がうつりやすい、ということになります。
http://mizumushidoujyou.seesaa.net/article/17050653.html
posted by 水虫博士 at 08:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 水虫Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする